あらすじ:カソリックの寄宿舎学校で学ぶタイ人の少女モンは不思議な力を持っていた。幼少時の交通事故で両親が死に自分が生き残ったのち、幽霊の存在がわかるようになったのだ。姿は見えずとも匂いで存在を感じ、話をすることができる。ある日、モンは奇妙な幽霊「先輩」から、30年前の彼の死の真相を探るように頼まれる。「先輩」は生前の記憶がすでに一部ないのだ。最初は断っていたモンだが、結局手伝い探っていくうちに、「先輩」の死の真相だけでなく、とある公妃の死の謎を解き明かしていくことになる。
タイのホラー映画が、アメリカの西部劇やヒーローもの、日本の時代劇と同じように、色々なテーマを包容できるようになっているということはいろいろ聞いていた。(映画館に行く人は予告編をみるだけでも、近年のタイのホラー映画の懐の深さがわかっていたとおもいます。)
で、今日はSENIOR - Runpeeを見たわけですが、多分2回目を見に行くかDVDを買うと思います。
そら、ハリウッドで多人数で色々直してってお金かけてって映画じゃないですから、欠点はありますよ。そういう点で見ていくと60〜70点になっちゃうんですけど、いいところで加点していくと150点はある。(てかmax100点じゃなくなるので、映画好きな人にはとりあえずオススメ程度の意味で)
すこし、複雑ぽいストーリーがある(探偵小説的なね)お話なので、詰め込みすぎに感じるかもしれませんが、その分テンポよくぽんぽん進んでいきます。途中の演出も良いところが多くあり(わるいところもちょっとは)、「あー、ここうまいなぁ」と思わされます。
特に、ホラー映画の体裁はとってあれど、青春映画、(それこそ江戸川乱歩的な)推理映画のような要素がメインであって、先輩が(タイの基準で)イケメンなのにもかかわらず白塗りのスケキヨ要素あるところとか、どんどん気にならなくなってくる。
日本ではタイ映画といえば、トニー・ジャーくらいしか最近はやってませんが、こういうものをしっかりと上映して、アジアの他の国の観客と同じくらいに映画をまともにみれる知能を養ってください。
減点法でブツブツいうような人は、マッドマックスの最新のでも爆音上映でみて楽しんでろ(別に悪い映画とは思いませんでしたがね…)。
この脚本でノイタミナとかで深夜アニメにしてたら今期一番だったことは間違いがないし、おそらくこのレベルの映画がいまゴロゴロとられているであろう、タイ映画のホラーの懐の深さというものを感じられているような気がしなくもないので、タイ映画もDVD100枚くらい買いたいし、代表的なのは全部見たい。
文芸性のあるホラーを取れる国、それがタイだと思って良さそうです。あと女の子が匂い嗅ぐ仕草が可愛い。見れる国にいる人は、やってたら見に行くべき映画です。大林宣彦が脳梅毒で変なこと言いだす前の映画みたいな(いや別に脳梅毒ではないんだけど)、さわやかな、甘酸っぱい気持ちで映画館を出れると思います。ホラーなんだけどね。
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